2017年救歯塾の話題から

調節性咬合器に関する話題は健在です

 歯科界から調節性咬合器の話題がほとんど聞かれなくなりました。セミナーや講演会が皆無です。救歯塾セミナーでは1日掛けてゴシックアーチ描記法と咬合器を体験学習します。受講者が自分の口腔内でゴシックアーチを描記してみるのです。患者さんの気持ちが分かりますし、どうすればキレイな描記ができるのかも分かります。タッピングポイントが定まるかどうか、ゴシックアーチのアペックスとタッピングにズレがでるのかどうかなど、百聞は1体験には敵いません。理屈を四の五の言っていた方々がとても静かになりましたし、こういうことだったのかと「目からウロコ」の体験学習でした。調節性咬合器がこれほど集まったセミナーも珍しいのではないでしょうか(下記のスナップ写真をご覧下さい)。

今年はコーヌスクローネの2年目です

 昨年は少数歯残存症例の模型に支台歯形成をして、印象採得をして作業模型を作り、内冠を作り、レジンコーピングを作り、内冠を支台歯に合着するところまで行いました。その続きが今年です。内冠の上にレジンコーピングを装着して各個トレーで印象採得をします。次に咬合採得をゴシックアーチトレーサーを用いて行います。それと同時に側方チェックバイトを採得します。調節性咬合器にメタルスプリットキャストプレートを合わせて顎運動のトランスファーを行います。少数歯残存症例では咬頭嵌合位が失われておりますから、咬合再構成が必須となります。とても難しい作業ですから実習しながら覚えていただこうとしています。受講者の熱心な学ぶ姿を是非ご覧下さい(下図を参照に)。チェックバイト法というのはこういうこと、スプリットキャストプレートはこのように使うもの、体験学習の内容の濃さは明かです。咬合器への問い合わせ、メタルスプリットキャストプレートの問い合わせの多いこと、その対応に大わらわです。「どうして大学で教えてくれなかったのか」という質問も聞きました。教える方がいないのでは?

2017年は60名の受講者です

 何の宣伝も行わずに、60名もの受講者が申し込んで下さるのは、本当に嬉しいことです。リピーターが50名、新人が10名です。皆さん口コミで参加してくださるようです。救歯塾を初めて17年目になります。静かなブームと言っては手前味噌になりますが、研修したいと思っている方々がホンモノのセミナーに目覚めたのではないでしょうか。高い受講料のセミナー、流行を追うような新しもの売りのセミナー、臨床症例の見当たらないセミナー、臨床症例の長期の術後経過の無いセミナー、絵に描いた餅のような実際例のないセミナー、・・・もうこういったセミナーに飽き飽きした受講者の方が救歯塾に集まってきてくれています。

 毎回テーマを与えられ、レポート提出を行い、当日はグループ討論をしながら自分の考えを発表しながら頭の整理ができて、くたくたになって疲れてしまう充実したセミナーに、満腹感を味わって帰路につくようなセミナーが救歯塾です。11名のベテラン講師陣に臨床のどんな質問にも答えて貰える親切なセミナーです。仲間が仲間を呼び、口コミで宣伝されて集まってきてくれるセミナーこそ本物ではないでしょうか。

2017年救歯塾セミナーでのスナップです

これほど調節性咬合器が並ぶセミナーがあるでしょうか。しかも受講者が持参した咬合器です。全員ではありませんが、調節性咬合器にメタルスプリットキャストプレートを付けて、チェックバイト法で顎運動のトランスファーを行っている姿は驚愕する光景です。皆さん咬合器を知りたがっております。

できるだけ実習を研修内容に含みます。聞くだけの講演会がいかに身につかないかをよく知っております。実習するには会場の問題、実習機材の問題、費用の問題、など多くのハードルがあります。それを超えての救歯塾セミナーには計り知れない魅力があります。 当院の技工士によるデモも見ると大いに参考になります。講義を聴いて、デモを見て、実習をする・・・、これほど身になるセミナーがあるでしょうか?

チュートリアル方式のセミナーを救歯塾では行っておりますから、グループごとで討論した内容を発表する機会があります。聞くだけではなく、まとめて発表するのは大変ですが、一度発表するとすごく身になります。その日の課題を予習してきて、レポートを提出します。それに基づいてグループ討論をします。他のメンバーから教わることもあり、教えてあげることもあり、無駄なj時間がないので、疲れますが充実しています。

2017年救歯塾セミナーのプログラムは下記の通りです

1年間ではとても吸収できない「黒田式コーヌスクローネ」は2年間継続してのプランです。2年間を継続受講して初めてモノになります。続けて頑張りましょう。

 

2017年 救歯塾プログラム

 「黒田式コーヌスクローネをマスターしよう−2」
@コーヌスクローネには間接法への理解が重要
Aコーヌスクローネは製作プロセスが煩雑で難しい(技工士との関係も重要)
Bコーヌスクローネを学べるところが救歯塾以外には見当たりません
Cコーヌスクローネができると欠損歯列への取り組みが変化します

第1回:「外冠と義歯製作のプロセスー間接法の理解」4月23日
     外冠と義歯製作の印象採得、レジンコーピングを用いた印象採得の理解
     外冠製作模型と義歯製作模型の問題、種々の製作法の比較検討
第2回:「 口内描記と咬合採得、顎運動のトランスファー」 5月21日
     外冠・義歯製作のための印象採得ーレジンコーピングで印象採得(実習)
     自己口腔内で口内描記装置を使って 描記とチェックバイト法の実習
第3回 :「外冠と義歯製作のポイント」6月11日
     模型と間接法、外冠適合精度(維持力確認)、鑞着かワンピースか
     硬質レジン前装冠の注意 テンポラリーと義歯デザイン、
第4回:「鑞着と試適の注意点」7月30日
     鑞着の問題、模型と口腔内で許容できる齟齬とできない齟齬
     試適時のチェックポイント、後戻りのメリット 、一次固定と二次固定効果
第5回:「完成義歯のセットとメインテナンスの注意点」9月3日
     完成義歯のチェック、維持力のチェック、咬合調整はどこまでやるか
     内冠軸面、全周6度、黒田式コーヌスクローネの評価とからくり
第6回:「コーヌスクローネのトラブルとその対応」10月15日
     維持力調整のテクニック、セット後のチェックポイント
     内冠脱離、支台築造破折、鑞着部破折、歯根破折、義歯破折など
第7回:「コーヌスクローネプレゼンー受講者とチューター」 11月12日
     コーヌスクローネのケースプレゼンテーション(受講者とチューター)

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