★オススメ書籍

歯界展望9月号に書きました(2007年9月)

「長い上皮性付着は本当に不安定な治癒像か?」というテーマで下野正基教授(東歯大・病理学)と座談を行いました。
約25年前にリンデ教授(スエーデン・イエテボリ大学)がGTR法による「新付着」の治癒を提唱してから、長い上皮性の治癒は、治癒のあり方としては望ましいものではないようなイメージが浸透していました。下野教授は上皮性付着の治癒像をいろいろの角度から実験しながら検証してこられました。その結果、長い上皮性付着が短くなって結合織性の付着に変化していくことを証明しました。
リンデ教授の考え方も認めながらも、その後の研究方法や実験器材の進歩に裏打ちされた研究だけに、目から鱗の素晴らしい研究に喝采を送りたいと思います。

日本歯科医師会雑誌12月号と新年号に書きました(2007年1月)

「歯を救って長持ちさせる歯科臨床」というタイトルで、2006年12月号には「救歯臨床のススメ」、2007年1月号には「患者満足と治療効果を図ろう」という内容で書きました。
新年号の扉には「カラー口絵」がつきました。カラーでなければ臨床写真は迫力がありません。デンタルダイアモンド、歯界展望、そして日本歯科医師会雑誌と3部作となります。
ここでも「歯の生涯図」が登場します。
2006年3月から原稿を書き続けました。一貫して訴えたかったことは「患者満足」と「治療効果」です。私の行ってきたことが患者さんのためになったのだろうか、それを客観的に評価する方法はないものか、「治療効果」はどのように測ればいいのだろうかという命題への答えを求めたかったのです。

歯界展望11月号に書きました(2006年11月)

歯界展望の2006年11月号の特集で、現在歯数の推移から読む「治療効果」「患者満足」--「歯の生涯図」の歯科医院における活用、というタイトルで、30ページにおよぶ論文を書きました。
はじめに、「歯を残す」ことの治療効果・患者満足に関する私見を述べました。「治療効果」と「患者満足」をどのように評価すればいいのだろうかという問題提起です。
今まで「パーセンタイル表」という名称で呼んでいたグラフを「歯の生涯図」という名称に変更しました。もともとパーセンタイル表のオリジナルは長田 斎先生でしたから、長田先生にもパーセンタイルの解説をお願いしました。そして今回は「歯の生涯図」という名称に変更することに了承を頂きました。「歯の生涯図」という用語は、宮地建夫先生が咬合支持数の減衰曲線グラフとしてすでに用いていたので、パーセンタイルとは意味するところが違うが、「歯の生涯図」という用語を使わせてもらうことに許可を頂きました(895ページ参照)。
ついで、「歯の生涯図」をどのように読んで評価につなげるのかを解説しています。実はこのパーセンタイル表は東京都歯科医師会から会員すべての方に10年前に配布されていたのです。これほど有効に使えるものなのに、配布された当時は大した意味も見つけられずに放置していました。5年ほど前から有効性に気づきはじめたのです。勿体ないことです。

ここでは8症例の呈示を行い、すべて20年以上の経過(28年が4例、27年が1例、25年が1例、24年が1例、20年が1例)で、経過の良い症例を6例、経過の良くない症例を2例、提示しました。
すべての症例に「歯の生涯図」を示して治療効果を評価しました。「歯を残す」ことに意味があるのかどうかを「現在歯数とQOL」という題で矢澤正人先生に書いて頂きました。さらに、単なる臨床報告がEBMになりうるのかという疑問に対して「一例報告とEBM」という題で高江洲義矩名誉教授に書いて頂きました。そして「歯の生涯図」をこう活用していますという例を壬生秀明先生、十朱智彦先生、当院の品田和美歯科衛生士の3名に書いて頂きました。

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デンタルダイアモンド7月号〜12月号に書きました(2006年12月)

2006年6月号にはDVDが付録で添付されていますが、7月号からは添付がありません。7月号は「患者さんをリピーターにする」というタイトルで、顧客名簿の作り方と活用法を実例を入れて分かりやすく解説しました。続けて8月号は「患者さんを知るための記録」、9月号は「気付かせてセルフケア」、10月号は「メインテナンスはなぜ必要なのか」、11月号は「メインテナンスで行うこと」、12月号は「メインテナンスで救歯臨床を!!」となります。
毎号にわたって、20年以上の長期経過を出して、パーセンタイル表で治療効果を示しています。黒田歯科医院の長期メインテナンスのシステムとチームワークをかなり細かく詳細に解説しています。

「成功する定期健診のすすめ方」を出しました(2007年7月)

デンタルダイアモンド社からDVD付きの書籍を出しました。歯科衛生士さん向けの書籍ですが、院内に1冊は置いて頂きたいものです。
黒田歯科医院のシステムが詳細に掲載されています。定期健診の意義目的から始まって、どのような内容を行うのか、それらの時間配分をどうするのか、実際の臨床例を含みながらの内容になっております。
DVD付きですから、動きや実際を見ながら参考にすることができます。

デンタルダイアモンド6月号に書きました(2006年6月)


デンタルダイアモンド社の30周年記念として「メインテナンスの歯科臨床」を7回シリーズで連載いたします。
この記事は、長くかかわった患者さんの症例を毎回掲載します。いかに「継続来院」や「メインテナンス」が大切かを実例で示しながら解説する形式で書いています。
黒田歯科医院の企業秘密になるようなたいせつな「ノウハウ」を惜しみなく披露します。顧客名簿から始まって、「始めてお越しの患者さんへ」という初診時に渡すリーフレットや「卒業証書」といって、治療終了時に渡すリーフレットなどを続けて披露します。黒田歯科医院の30年間の遍歴から出るエッセンスを次々に毎号紹介する予定です。

初回の6月号だけは特別記念としてDVDが付録として着きます。待合室でご覧いただくような患者さん向けの内容で「定期健診のススメ」を10分程度で解説しております。
このDVDはコピープロテクトされていますので、これをお買い求め頂かないと手に入れることができない仕組みです。

是非お買い求めになってお読み下さい。そしてご意見をお願いします。

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歯界展望の別冊を編集しました(2004年11月)

「長くかかわる歯科医療の実践」というタイトルで、サブタイトルとして「患者さんのためのかかりつけ歯科医」としました。
この「長くかかわる」、「患者さんのため」という言葉をどうしてもタイトルに生かしたかったというのが私の一番の思いです。この10年間ほどずーっと思ってきたことがこのキーワードです。
私が「術後経過」を追いかけてきたのは、自分の行った処置が不安だったからです。「コーヌスクローネ」に取り組んだのが約30年前ですが、その頃は「大馬鹿デンチャー」と呼ばれたこともあり、術後が心配でたまりませんでした。10年、20年と経過を追ってきた今では、「これほどまでにいい義歯なのか」と見直しています。当初は自分が心配で始めた経過観察でしたが、結果的には、患者さんのためになっていると言えるようになりました。

「長くかかわる」ことの意味をいろいろな角度から検討したいと思い、宮地先生と北川原先生にお助けいただき「巻頭鼎談」としました。患者さんは今の医療に満足していないという視点から、日経メディカル編集長の広多氏に書いていただきましたが、鋭い指摘が示されています。
長くかかわる例を示した「押見 一」先生の論文は圧巻です。開業当日にいらした患者さんと29年ものかかわりの記述には、ページ数が足りなかったことをお詫びしたいです。手前味噌になりますが、当院歯科衛生士の品田の「20年のかかわり」はなかなかの力作です。ぜひご批評ください。

日本歯科医師会雑誌の表紙をようやく見てもらえました(2004年10月)

ようやく日本歯科医師会雑誌の表紙に反応してくれた歯科医がおりました。嬉しいメールが届きましたのでお知らせします。

「日歯会雑誌9月号表紙のクラスプを見て,こんなのがあったらテンポラリーの義歯が少しは楽になる?なんて思いながら,資料提供を見たら黒田先生のお名前がありました.早速,教えていただこうとメールいたします.お手数とは存じますが,メーカー等判りましたら御教示ください 」

すぐに返信しました。反応があるということはとても嬉しいのですが、この反応をみて、やっぱり歯医者だなーと思いました。この雑誌の表紙は、歯科用の素材を用いていかに歯科らしくないものとして表現できるかと、デザイナーの方がすごく努力しているのに…。9月号以外の表紙をご覧になって、すぐに歯科用の素材だと判断できるでしょうか?判断できない方は正常です。判断できる方は「やっぱり歯医者だなー」。
寝ても覚めても歯科から離れられないきわめてまじめな方です。そういう私もそうですから、お友達になれると思います。

オススメ書籍(2004年4月4日)

「臨床咬合学事典」長谷川成男、板東永一編集。医歯薬出版社、¥12,000。この本はもうすでに出版されて7年経過しています。この本は字引のように困ったときに開いて解説を読むというよりも、関連した事項を連続して読む方が身につくようです。
「事典」というのは「辞典」と異なっているということに、私は後で気づきました。「定義」「解説」のほかに、「論点」とか「提言」といった編者のコメントをつけてくれています。これは大変勇気のいることです。
この本をきちんと読めば、いまだに顎位やガイドの論争・混乱があるのが不思議に思えます。長谷川先生や板東先生といえば、顎運動、顎位、ガイド、咬合器などに関しては世界の第一人者です。
救歯塾ではこの本を受講者の皆さんに買って頂く予定です。「臨床咬合学事典」をバイブルにしてレポートを書いてもらったり、討論の中心課題にしようと思っています。
この10年、咬合に関する話題がめっきり少なくなっています。商業誌でも、講演会でも取り上げられることが少ないので、最近卒業された歯科医は、咬合音痴?(オッと失礼)が増えています。救歯会の例会でもその傾向を感じています。
「臨床咬合学事典」をすり切れるほど読んで頂けると、咬合に関する混乱から脱出できると思うのですが…。

オススメ書籍(2004年7月11日)

「がんばらない」鎌田 寶 著。集英社(2003年6月より集英社文庫で¥533)
医療を志している方なら、一度は目にして欲しい本です。2000年に初版が出たときにはあまり感じなかったのですが、今回はやけに感動しました。年のせいなのか、身近な方をガンで亡くしたせいなのか分かりませんが…。医療人に必要なのは「感受性」ではないかと、この文章を読みながら感じました。
私自身がいかに生きるかという問いかけをしていくなかで、患者さんをその人らしくありのままに…ということとが重なるものだということを感じさせられました。

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歯の数と痴呆との関連が明らかに(2003年12月26日)

東北大学歯学部の渡辺誠教授のグループ研究で、「残存歯数が少ない高齢者ほど記憶をつかさどる大脳の海馬付近の容積が減少していることが分かった。ボケ防止には自分の歯の数を保つことが大切」と、11月東京の国際老年学会議で発表した。
さらに、「歯が少なくなると、噛むことで脳を刺激するという本来の機能が働かなくなるのでは」と渡辺教授は語っている。私は、少数歯残存症例でも、それ以上歯を失わないように経過させる歯科治療こそ、求められているのだと訴えたい。 補綴歯科学会雑誌で、「コーヌステレスコープか磁性アタッチメントか」で紙上ディベートを行いますが、私は、残存歯を失っても良いと思うようなオーバーデンチュアーは賛成しません。
コーヌステレスコープは支台歯の長期保存をもくろんで、術後経過を追い続けて参りました。10年、20年と保っている症例が多くあります。磁性アタッチメントを使おうとは思いません。紙上ディベートをどうかお楽しみに。

デンタルハイジーン10月号に書きました(2003年9月20日)

最近はできるだけオモテに出ないようにしております。衛生士向けなので協力することにしました。
特集「かかりつけ歯科医制度とメインテナンス」です。最近考えていることをこの特集の1ページ目に簡潔に書きました。座談会では、司会をしながら気心の知れたメンバーなので私の進めたい方向にご協力をお願いしました。
それだけに、無駄 な発言をなくし、訴えたい内容だけに絞りましたので、読み応えがあるとうぬぼれています。続いて症例のところでは、当医院の歯科衛生士、中山幸子に登場してもらい、16年間のメインテナンス症例を掲載しております。
初診時にホープレスだった右上4番が16年後どうなったか、重度の左上5番、左上2番、右上6番、右下6番、左下6番、などの16年後をご覧下さい。

オススメ書籍「歯科・本音の治療が分かる本」(2003年9月20日)

平成6年に同名の本が出版されたのですが、9年間で5万部を売るロングセラーだそうです。今回は改訂ではなく、書名だけ同じですが、中身は全く新しいものになりました。
「齲蝕も歯周病もバイオフィルム感染症」→「バイオフィルム感染症は定期管理が必要」→「定期管理はかかりつけ歯科医で」という論調は大好きです。「かかりつけ歯科医」のことや、「生涯歯を失わないように」という視点は、私の訴えようとしていることと全く同じです。あまりにも共感できる内容で、驚いているほどです。
今回はきわめて難しい部分の解説をわかりやすく明快に解説しています。このような本を読んでいる患者さんに対していい加減な説明をしたらすぐに見破られてしまいそうです。
患者さんにわかりやすく説明する方法や自己防衛のためにも是非一読をオススメします。私は待合室にこの本を置いておこうと思います。

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押見 一先生のエッセーに感激(2003年8月4日)

日本歯科評論8月号(63巻8号)のコラム「歯科医師生涯研修考」で「私の経験したスタディーグループ」という題で書かれた内容がすばらしいです。いくつか感銘深い文章を書き出してみます。

「スタディーグループの仲間の目は自分を写す鏡である。ケースプレはその鏡を見るチャンスである」、「スタディーグループでは治療後の経過観察が臨床の指針になるものとして大切に考えていた。その治療方針が妥当であったかどうかは、経過が静かに語ってくれるのだ」、「スタディーグループでは、オーバートリートメントをしないように、必要最小限の処置で目的を果 たす方法を執拗に求められた」、「スタディーグループは私に、[歯科臨床とは何か]ということ以上のものを教えてくれた」…など。

押見先生とはほぼおなじ時期に火曜会に在籍していましたので、これらの文章を読むとその場の雰囲気まで伝わってくるようです。
彼はこだわり方もまた一流でした。「歯肉えりまき」「ジグリングをかけて抜歯」など、自家歯牙移植に関する独特な手法を生み出し、歯肉もX線写真も支台形成も補綴物もいつもきれいで、彼のケースプレをため息をつきながら私は聞いていました。同じ時期に火曜会を退会したので、その後の活躍をあまり目にしなかったので、どうしているかと思っていました。この文章を見て、ああ、ますます健在だナーと嬉しくなりました。

オススメ図書「デンタルハイジーン」別冊(2002年11月24日)

「歯肉縁下のプラークコントロール」(医歯薬出版、2002年11月、¥2,800)は、「目からウロコ」となりうる名著です。別冊にしてはずいぶん力の入った出来映えで、書籍にしても良いような内容です。
ルート・プレーニングはどこまでやるの?目的は?デブライドメントとは?概念の変遷など、知りたいことがびっしり詰まっています。当医院の衛生士、品田和美さんも書いています。

オススメ図書「歯科衛生士」別冊(2002年11月24日)

「3つのキーワードで読む予防歯科」(クインテッセンス出版、2002年4月発行、¥3,500円)は、バイオフィルム・フッ化物・口腔ケアの3つのキーワードを解説していて、歯科医にとっても分かりやすい読み物となっています。
バイオフィルムに関しての図や電顕写真での解説は、きわめて分かりやすくてオススメです。最近多く出てきたフッ化物をどのように使い分け、患者さんに説明して使ってもらえばいいのかは、この記事を読むことで整理がつきます。具体的な商品名を挙げての解説は助かります。歯科医と衛生士の両者にオススメです。

お薦めの本「使命を忘れた医者たち」(2002年3月29日)

米山公啓著で集英社文庫(¥457)2002年2月25日出版。内容は目次で紹介します。

第1章、私が大学病院を辞めたわけ
第2章、医者しか知らない不可解な世界
第3章、生と死の狭間で
第4章、これからの医療と未来の病院
第5章、私は医者を辞めない。

大学病院にいる方には、是非とも読んでいただきたい。
開業医の方には、患者中心ということがどういうことか、自分は患者さん中心に診療をしているだろうかということを考えるきっかけになると思います。

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臨床歯科を語る会の事後抄録は素晴らしい本です(2001年12月7日)

昨年、20周年を記念してA4版カラー化の事後抄録にしました。カラーになったことで驚きと喜びで歓迎されました。それが今年はさらにセンスアップされた書籍としてできあがりました。
ちょうどデジタルプレゼンの波が押し寄せたことも相まって、DTPに弾みがつきました。良質の紙に写真が全部カラーで印刷されていて、レイアウトも変化を持たせ、きわめてすっきりした書籍です。
豊永美津糸先生の追悼記念号となりましたので、全体が100ページを越えて重みのある本となりました。全体会が二つあり、1つは「14歯前後欠損症例の問題点を探る」で、その演者に、宮地建夫先生、若林健史先生、鈴木 尚先生、もう1つは「テレスコープの現在」というテーマで、鷹岡竜一先生の企画進行で、演者は、永田省蔵先生、金子一芳先生、黒田昌彦です。夢の取り合わせとでも言えましょうか、二度と無いような超豪華メンバーでした。一般商業誌に対してよい刺激になればと思います。ご希望の方には実費(¥3,000円)でお分けします。
臨床歯科を語る会のホームページからお申し込みできます。(昨年の事後抄録は¥2,000円でお分けできます)臨床歯科を語る会に入会していただけますよう期待しております。
臨床歯科を語る会のホームページは、リンク集にありますので、ご覧下さい。

デンタルハイジーン11月号お読み下さい(2001年10月22日)

品田和美(黒田歯科医院の歯科衛生士)が「超音波スケーラーの位置づけ--臨床での変遷から--」の論文を掲載しております。私が言うのも何ですが、なかなかの力作です。
歯科衛生士として20年以上の経験から、ルート・プレーニングに対する考え方の変遷をふまえ、今どうして超音波スケーラーなのかを述べています。20年前の超音波スケーリングの経験、手用キュレットタイプのスケーラーを使った時期、熱心さの余りオーバーインスツルメンテーションによる反省、近年のスプラソンP-MAXの超音波スケーラーの有効性、と変遷してきたいきさつと感想を述べています。
臨床例をあげての説明には説得力があります。品田に続いて書いておられる方は、スプラソンというメーカー名もあげて述べている割にはスプラソンならではの実例に乏しい感じがしました。
大学の方も、参考文献数は多いけれど、臨床例が掲載されないので、説得力に欠けます。5ページ余の論文に83もの文献を挙げ、しかも参考文献だけで3ページを費やすセンスはいかがなものでしょうか?

お薦めの本があります(2001年8月19日)

「タバコをやめよう」歯医者さんからのメッセージと題して、患者さん説明用の本です。著者は石井正敏先生です。
A4版でイラストと写真が多く、見て分かる本となっています。喫煙は「ゆるやかな自殺です」と言っています。タバコと肺ガンは良くいわれることで、リスクは4.5倍です。口腔・咽頭がんは3.0倍、喉頭がんはなんと32.5倍です。私はこれを見て驚きました。われわれが関係する分野のリスクくらいは知っていなければと思います。
歯周炎との関連性については、実例を挙げてよく説明されています。私も歯周炎の患者さんの術後経過で痛い目にあっていますので、禁煙しなければ外科処置をしません。一見よくなったかに見えても、喫煙者は数年後には悪化して戻ってきます。

医師の喫煙者は減っていますが、歯科医師会の集まりでは、まだ喫煙者が多くて困ります。自分がタバコを吸っていて、患者さんに健康指導ができるのでしょうか。
禁煙できなくて困っている愛煙家の歯科医にも、禁煙指導を進めている歯科医にも、一読をオススメします。

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とてもよい本があります(2000年12月10日)

黒田歯科医院に20年勤務してくれている歯科衛生士の品田が著者です。
黒田歯科医院のシステムが全部分かるので、歯科医にとって有益だという声を耳にします。口腔内写真の撮影法から写真整理や、X線写真の取り扱い方や整理など、新人教育のためには打ってつけです。
マニュアルもきわめて具体的な例として挙げております。ぜひお読み下さい。
医歯薬出版社から出ています。

お薦めしたい本があります(2000年12月10日)

最近の若いもんは…と、つい言いたくなるのは分かります。院長に代わってこの本が言ってくれます。言いにくいことを代弁してくれるのがこの本です。身だしなみから、挨拶・お茶の入れ方まで。190ページで、¥1,800円は安い。一世出版社

話し方、敬語の使い方、社会人としての一般常識・電話応対など、身につまされる事例を多く取り上げて解説しています。カットのイラストも多く、ハンドブック形式で読みやすい大きさです。

義歯の患者さんにおすすめの本があります(2000年12月4日)

義歯の患者さんにお薦めできるいい本です。美味しそうな料理が32ページもカラー写真入りで説明されています。おまけに、料理の材料と作り方まで丁寧に書いてあります。
初めて義歯を入れる方の食べ方の指導や助言、義歯が会わない場合、飲み込みにくい場合、口が渇く場合、舌が動く場合など、きめ細かく歯科医よりも詳しく説明がされています。また、文字が大きくて読みやすくできています。
「高齢者の食事学」という章があり、加齢による味覚や口腔の変化などの解説は、われわれ専門家が知らなくてはならないことがいっぱいです。
さらに「お口のトラブル相談室」というQ&Aが良くできていて、補綴の専門家の私が教えられることが多くて、恥じ入っております。
歯科関係の出版社でないところから出版されていますので、意外に気づかれないと思います。

「義歯でおいしく食べる」編著:山田晴子、料理:赤堀博美、女子栄養大学出版部 総ページ:110 価格:¥1,500。

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おすすめ書籍(2000年10月29日)

今回は,次の2点に関する書籍をご紹介します。EBMと臨床疫学の関連です。
縣氏と名郷氏のものはこの分野では必須の書物です。あまり厚くないので、読みやすいものです。山下先生の書籍は、あれほど補綴に没頭された方が、定年退官を前にしての心境変化をまとめられました。最終講義として読めばまた新鮮です。
久道氏は医学判断学の草分け的な方。10年前の出版ですが、大変わかりやすい書籍です。疫学や統計は数字に弱い私は大の苦手ですが、折笠氏、三宅氏、小林氏のものは数字が少ないのでまあ読めます。

  1. 縣 俊彦:EBM。臨床研究の方法論 中外医学社、1998 東京
  2. 名郷直樹:EBM。実践ワークブック 南江堂、1999 東京
  3. 山下 敦:21世紀の歯科医学を拓く臨床・研究・教育を求めて 医歯薬出版(株)、1999 東京
  4. 折笠秀樹:臨床研究デザイン-医学研究における統計入門 真興交易医書出版部、1995 東京
  5. 久道 茂:医学判断学-我々の判断や解釈はまちがっていないか 南江堂、1990 東京
  6. 三宅由子:臨床データのまとめかた、研究計画から論文作成まで (株)杏林書院、1992 東京
  7. 小林忠義:病因論の諸問題-病気を決定するもの 東海大学出版界、1988 東京

筋学のCD-ROMが出来ました(2001年3月25日)

人体解剖学 2.筋学のCD-ROMができました。前に紹介した(1月21日)東京歯科大学の井出教授の作品で「1.骨学」に続くものです。
とても鮮明な画像でカラーです。見たい角度から見られるし、筋の名前と付着部位を関連づけているために、筋肉の種類と起始・停止を覚えるのに最適です。
顎機能異常に関連する内側翼突筋や外側翼突筋など、あらためて認識し直しました。わかば出版のものですが、シエン社で扱っています。
電話03-3816-7818。買って損のない代物です。

すごく良いCD-ROMがあります(2001年1月21日)

人体解剖学 1.骨学(頭蓋)というタイトルのCD-ROMです。
東京歯科大学の井出教授の作品です。とても鮮明な画像で、見たい角度から見られるし、骨の名前と部位が関連づけているために、骨の形態と名前を覚えるのに最適です。
価格がまた廉価(¥3,800)です。わかば出版のものですが、シエン社で扱っています。
電話03-3816-7818。買って損のない代物です。患者さんに見せるも良し、復習するも良し。

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