★黒田昌彦のひとりごと(2002年)
歯科医院の1日あたりの患者数の推移(2002年11月4日)
| 年度 | 1日の患者数 |
|---|---|
| 1981年 | 32.3 |
| 1983年 | 31.3 |
| 1984年 | 25.1 |
| 1990年 | 24.8 |
| 1993年 | 22.5 |
| 1996年 | 21.9 |
| 1999年 | 17.6 |
厚生労働省「患者調査」による1歯科医院の1日あたりの患者数の推移です。この表によりますと、83年から84年、96年から99年の間に急激に減少しています。前者は社会保険の本人の自己負担額が0割から1割に、後者は同じように負担額が1割から2割にアップされた時期と一致しています。2003年4月から負担額が2割から3割にアップされます。
この20年間に患者数が半減したのに、さらにそれ以上に減ることになります。私が歯科医になった頃は、患者さんが多すぎて満足な治療が出来なかったことが悩みでした。それが最近は、患者数が少なくて、適正なスタッフ採用と設備投資ができないという状況になりました。これからは歯科医の適正な数、適正な治療、などの検討が急務です。
平均寿命の年次推移(日歯広報9月25日号)(2002年10月23日)
| 暦年 | 男性平均年齢 | 女性平均年齢 |
|---|---|---|
| 昭和22年 | 50.06歳 | 53.96歳 |
| 昭和30年 | 63.60歳 | 67.75歳 |
| 昭和40年 | 67.74歳 | 72.92歳 |
| 昭和50年 | 71.73歳 | 76.89歳 |
| 昭和60年 | 74.78歳 | 80.48歳 |
| 平成2年 | 75.92歳 | 81.90歳 |
| 平成9年 | 77.19歳 | 83.82歳 |
| 平成10年 | 77.16歳 | 84.01歳 |
| 平成11年 | 77.10歳 | 83.99歳 |
| 平成12年 | 77.72歳 | 84.60歳 |
| 平成13年 | 78.07歳 | 84.93歳 |
私が子供の頃、父親がよく言っておりました。
人生50歳までだ、やれるうちにやらなければ・・・
還暦というのは、双六の振り出しに戻ることだ・・と。
私は還暦を迎えたのに、振り出しだなんて思えません。
私は未熟なせいなのでしょうか?
ホームページの更新が遅いというお叱りを頂きました(2002年9月15日)
この1ヶ月、目の回るような多忙な日々を送っておりました。8月30日から2泊3日で救歯会サマーセミナーがあり、1年に1回の特別講演をしました。1時間半のパソコンプレゼンです。
その3日後、9月4日に社保指導者研修会で1時間半のスライドプレゼンをしました。その3日後、9月7日は臨床歯科を語る会の実行委員会があり、決算報告と次期執行にあたっての要望事項を資料付きで提出してきました。次の日、9月8日が救歯塾で、パソコンプレゼン20分をしました。言い訳ではありませんが、ほんとうに目が回りそうでした。
それらの準備と片づけが大変です。机の上がスライドと資料でごった返しております。これからその整理に追われます。ご想像下さい。そして、どうかお許し下さい。
NHKスペシャルを見て怒りがこみ上げてきました(2002年8月14日)
「幻の大戦果・大本営発表の真相」(8月13日総合テレビ)、「海上自衛隊はこうして生まれた」(8月14日総合テレビ)を見て、どうにもやり場のない怒りがこみ上げてきました。
昭和19年沖縄決戦の前後の大本営発表のウソが、どのようにして行われたか、そこに日本中枢の組織的構造があったということを知らされました。そのことは、現在の日本の政治そのものの姿にシッカリと引き継がれているではないですか。鈴木宗男議員と外務省との癒着、日本ハムと農林通産省とのなれ合い、など・・・腐敗している日本の政治そのものは、55年前からちっとも変わっていないんだという気がしました。
海上自衛隊は、再軍備という名の下に軍隊として生まれてきたといういきさつを、機密文書によって暴いていました。日本国憲法の第9条(軍隊を持たない)に対する憲法違反を、政府が実施してきたことに、この怒りを何処にもっていったらいいものなのか分かりません。皆さんはどのように感じますか。
「医療法改正案」だけがなぜ通過する?(2002年8月14日)
本年4月の医療費改定で社会保険本人1割負担が2割負担にアップし、この10月から70歳以上の定額負担が1割負担にアップ、来年4月から社会保険本人は2割から3割負担にアップします。サラリーマンは窓口負担だけでなく、保険料も重くなります。そして5年後(06年10月)には、老人保険は75歳以上ということになります。
これほどまでに国民に負担を強いる医療費改革なのに、どうしてこうも矢継ぎ早に可決決定されるのでしょうか。郵政民営化、高速道路民営化、外務省改革などは、一体いつになったら可決決定されるのでしょうか。国民の税金を無駄遣いしていることにはいっこうにメスが入らず、国民に痛みを感じる方にはすぐ改革が決定されるという今の議会に、国民は憤りを感じないのでしょうか。このことが不思議でなりません。
日歯広報の「声」蘭(7月15日号)に共感(2002年8月14日)
兵庫県会員の藤原 知(70)先生の「会員のひろば」投稿に共感しました。藤原先生は「日歯の労に感謝しつつ…(略)、私はこの度「日歯連盟」からの離脱を表明、承認された。連盟の在りように常々疑問を感じてきた私は、ロビー活動の必要性は認めるものの、今の在りようにはついていけない、むしろついて行くべきではないと自ら断じたのである。(後略)。民主国家日本における知識人集団としての"志"ある行動を模索、構築するべき刻にあるのではにか」と、率直に今の心境を述べられています。
政治家任せの体質、人任せの医療政策、批評はするが自ら行動しない体質、などが問われているのではないでしょうか。
2002年臨床歯科を語る会が盛会に終わる(2002年7月7日)
今年の新企画として「テーブルクリニック」が4題登場しました。「アンテリアージグ」を永田省蔵先生(熊本KDM)、「パソコンの画像処理」をはまゆう会の真田先生、「歯周外科の実践ヒント」を松井宏栄先生(火曜会)、「半調節性咬合器の活かした使い方」を救歯会の法花堂、野嶋、亀井先生がやってくれました。いずれも大変好評でした。
今年はその上、初めての「ポスター発表」が8題行われました。「スライドなら早送りができるのに、ポスターは何度も最初から見直しされるので、辛いものがあります」と発表者の本音の言葉が出るほど、参加者が食い入るように見ていました。「テーブルクリニック」と「ポスター発表」は来年も是非やりたい企画です。
2002年臨床歯科を語る会の準備で大わらわ(2002年6月23日)
6月28日〜30日、国立オリンピック記念青少年綜合センターで開催されます。2泊3日の全国臨床家の合宿学会です。今年は230名ほどの出席です。プログラムの印刷、ネームプレートの準備、コンベンションとの打ち合わせ、テーブルクリニックの設営準備、宿泊部屋割り、食事や懇親会の準備、などと細々したことが結構あるものです。
実行委員長も4年になります。次期こそは辞任させてもらおうと思っています。実行委員長といっても、雑用や番頭役といった仕事です。それでも、毎年内容が充実していたり、遠路参加した方が喜んでくれたりしますと、またやろうかとつい思ってしまう人の良さがあります。2001年の「事後抄録」が思いのほか好評で、会員以外の方々が170人も買って下さいました。その方々から入会のお申し込みがないのがやや寂しい気がします。是非入会して下さい。さー、明日からまた頑張ろうーっと。
医療制度関連法案、衆院通過(2002年6月23日)
サラリーマンの医療費窓口負担を来年4月から3割(97年から2割)に引き上げることなどを21日の衆院本会議で可決されました。サラリーマンの保険料も現在の月収ベースからボーナスを含めた年収ベースの「総報酬制」になります。政府管掌健保に加入している中小企業のサラリーマンも保険料が引き上げられます。さらに、70歳以上のお年寄りは、今年10月から一定上限額(定額制)が廃止され、1割(一定所得以上の人は2割)負担になります。こんなに大変な事を与党単独採決のような暴挙で決められているのに、国民の皆さんは大して反対もしないのでしょうか?不思議でなりません。
有事法案や郵政民営化法案などが先送りされていて、国民の懐をもろに痛めつける法案だけが今年の4月から実施され、そのうえ来年4月からもさらに痛めつけられるというのに、平気なのでしょうか。身近な顔見知りの歯科医が2軒歯科医院を閉じました。われわれの悲鳴が聞こえていないのが寂しいです。
6/19朝日新聞「医療の質に影響じわり」(2002年6月23日)
「4月からの診療報酬大幅引き下げで医療現場に動揺が広がっている。収入減で経営難も起きている。コストをかけ、きちんとした診療をする病院ほど経営が難しくなる」と、具体的に診療報酬の引き下げ例を挙げて解説している。でも、この医療者側の痛みは、なかなか分かってもらえないように思えます。いま国会で審議中の自己負担が2割から3割に増えることに関しても、国民から不満の声すら聞こえないのです。われわれが医療費改定に反対しても、自己負担比率の増大に反対しても、国民は冷ややかに見ているだけという感じです。
歯科医師国家試験結果順位表(2002年6月2日)
今年の国家試験の結果が公表されました。平均88.6%の合格率でした。トップが長崎大学、2位は広島大学、3位は東京歯科大学、4位は東北大学、5位は北海道医療大学、6位新潟大学、7位は愛知学院大学、8位は大阪大学、9位は日本大学歯学部、10位は東京医科歯科大学で、ベストテンに私立大学が4校入っています。
ワーストファイブの25位は岩手医科大学、26位は大阪歯科大学、27位は明海大学歯学部、28位は松本歯科大学、29位は奥羽大学でした。昨年国家試験問題の漏洩事件を起こした奥羽大学は、今年は最下位でした。私の母校の東京歯科大学は96.9%で、私立大学のトップでした。今年の国家試験から試験問題が変更され、臨床問題を多くして、合格ラインを60点から80点にアップしました。平成16年から実習が加わった国家試験に変わっていくので、ますます難しくなるでしょう。知識だけは備わっているけど、何もできない歯科医や、腕のない歯科医が増えることを心配していたので、大変いい傾向だと思っています。
医療費削減策がダブルパンチで(2002年4月21日)
企業の健康保険組合の支出抑制を助言するサービスを、日本生命保険と日立製作所などが始めるという。ライフケアパートナーズ(日本生命、日立、ニチイ学館など)や、ウェルネスケア・ネートワーク(明治生命、NTTデータ、松下電器産業など)が、診療報酬明細書(レセプト)を分析・指導し、健保組合の医療費支出の傾向を分析するサービスを始める(日経新聞3月15日)。
さらには、組合による診療報酬明細書の直接診査を今月中に解禁すると厚生労働省が決めた(朝日新聞4月13日夕刊)。今までは「社会保険診療報酬支払基金」で内容のチェックをしていたし、そこでは専門家によるチェックなので、ある程度信頼がおけるチェックでしたが、これからはどうなるのか不安があります。全国1700の健保組合のうち、赤字組合が9割を越えるという。10年程前までは、本人は初診料の一部負担だけでよかったし、組合も保養所を持てるほどでしたが、どうしたことなのでしょうか。バブルがはじけ、少子高齢化社会がそうしたのでしょうか。無慮無策の政策のせいではないでしょうか。老人保険制度ですら、始めてから数年で破綻したのですから。政治家と官僚の責任が大きいと思います。そのツケを、自分たちは何ら負わずして、患者さん(国民)と医療者に押しつける有様で、さらには組合までにもしわ寄せがいっています。
「歯周病退治うがい薬で」に関するその後の反響(2002年4月21日)
先に「歯周病退治うがい薬で」に関する感想を、2001年11月20日と2002年2月17日に書いておきましたが、今回「暮らしの手帳」2002年4・5月号にまたもや関連記事が掲載されております。「音波歯ブラシ」の商品テストレポートに続いて、石川 烈先生(日本歯周病学会理事長、東京医科歯科大学教授)の「歯周病治療に抗かび剤は危険」というタイトルで書かれています。ここに書かれている内容は、十分に納得できる客観性に富んだ論評です。私は個人的に、「暮らしの手帳」という雑誌がとても好きで、広告がないことから商品テストに忌憚のない結果をそのまま掲載できる姿勢が、信憑性が高いと思っています。出版界でのこの厳しい時勢に、広告宣伝料を頂かずに雑誌を出版するのは、至難の業です。よく頑張っていると尊敬すると同時に、これほど信頼できる記事は他にないと思うのです。是非「暮らしの手帳」を買ってお読み下さい。「音波歯ブラシ」は私も使っていますので、その記事にも興味があります。
歯科医院の倒産状況(2002年4月8日)
平成8年から5年間の倒産件数を調査した結果が、日本歯科医師会から報告されました。
| 平成8年 | 平成9年 | 平成10年 | 平成11年 | 平成12年 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 件数 | 6 | 11 | 12 | 12 | 22 | 63 |
5年前に比較して次第に倒産が増加して、平成12年は倍増しています。この分では平成13年は40件を越えそうです。都道府県別に見てみますと、最も多いのが千葉県で13件、次いで東京都と愛知県が9件です。倒産理由は、患者数の減少と歯科医院の増加が挙げられています。当医院も倒産こそ免れておりますが、患者数の減少と歯科医院の増加をひしひしと感じております。当医院の向かいのビルにも歯科医院が開業されました。「患者さんが歯科医院を選ぶ」時代に突入していることを実感しております。
歯科医師は救急処置が出来ないのか(2002年3月11日)
救急車での「挿管処置」や航空機内での「除細動器の扱い」に関して、厚生労働省の見解に一貫性がないことに問題だと思います。秋田県の消防署では救急隊員による「挿管処置」は、厚生労働省では違法だといっていても、人命救助の立場から行っているという報道がNHKでされています。
日本航空では2月5日より、「自動体外式除細動器」が使用できる乗務員を乗務し始めました。「機内に医師がいない場合の緊急時に限って、客室乗務員が除細動器を使用しても医師法に抵触しない」という2001年12月の厚生労働省の見解を受けての行動です。機内放送で医師を捜している場合に、歯科医師のあなたは手を挙げるでしょうか?
進んで協力してできる限りの救命処置をするのが、医療専門職として当然です。ところが、「市立札幌病院事件」の厚生労働省の見解に従うと、歯科医師は救命処置を行うと「医師法違反」に問われることになりそうです。こんなことがあって良いものでしょうか。人命救助には、客室乗務員には許可されていたり、救急車の救急隊員や、歯科医師ですら医師法違反に問われる可能性があるなんて、この国は人命救助をどう考えているのでしょうか。
「コンポジットレジンより環境ホルモン溶出」新聞に(2002年2月17日)
2001年12月15日づけ日刊紙に報道されたことに関して、日本歯科医師会のホームページに詳しく回答されておりますので、ご覧下さい。
結論は、新聞報道の勇み足で、誤解を招くような報道をしてしまったということです。