★雑誌編集ウラ話 2004年バックナンバー

2004年11月号から

山田 了先生の「注目されるバイオフィルム除去からの歯ブラシ選び」は、期待した論文ですが、やや結論が甘い気がします。最近注目されてきている電動歯ブラシに、シャープに切り込んでいただけるといいのですが、曖昧な表現しか見当たりません。

コラム -うちの目・外の目-「日歯改革」は、改革検討委員会のメンバーの渡辺俊介氏に聞くという内容になっています。検討の結果には言及されませんが、検討委員会のスタンスを知るにはいい情報です。1ページ目の蒲生専務理事の「日歯改革の原点」とあわせて読むと何かが見えてくるでしょう。

2004年10月号から

押見 一先生の「ブラキシズムと歯科臨床」は9月号に続いてのシリーズです。臨床例を交えて長年の先生の臨床が見られます。やっかいなブラキシズムへの対応を説得力ある文章でわかりやすく解説しています。

内山 茂先生の「PMTCとデブライドメント」は、最近のメインテナンスの考え方をさらに進めていこうという具体的行動です。内山先生のPMTCへの取り組みはかなり以前からですし、そのノウハウも実例入りで解説されています。

座談会「医療事故、医事紛争はなぜ減らないか?」は、弁護士、日本歯科医師会、東京都歯科医師会、元厚生省の方を交えて、医療事故を起こさないために、あるいは医事紛争に巻き込まれないための考え方を述べられています。なるほどと気づかされることがいろいろあります。

2004年9月号から

押見 一先生の「ブラキシズムと歯科臨床」は、長年先生が取り組んでこられたテーマへの最近の考え方を整理して述べられていて、なかなか読み応えのある論文です。押見先生といえば、緻密な臨床で大変有名な方ですが、「歯根膜移動」という考え方の臨床を矯正や自家歯牙移植などで実践されていて、いつも刺激される先生です。自家歯牙移植の分野でも、「歯肉エリマキ」や「ジグリングフォースをかけてから抜歯」という非常にユニークな独創性に富んだ臨床をされています。今回も是非お読み下さい。臨床例がカラーでないのが残念です。

細井紀雄先生の「長期間使用する軟質裏装材の接着耐久性と緩圧効果」は、実験を交えて結果を報告してくれています。軟質裏装材は、使用する頻度が高いものではないし、長期に使っての結果を比較検討するのが臨床ではできにくいので、このような結果を参考にするしかありません。これらの実験は、日本歯科医師会器材薬剤室の事業から出たものです。参考になります。

奥田克爾先生の「要介護高齢者の肺炎予防を目的とした口腔ケアガイドラインの作成」は、寝たきりの方へのヘルパーや介護者や看護の方や家族の方への予防指導が必要で、そのためのガイドラインを書かれています。誤嚥性肺炎が多いのはなぜか、それを予防するにはどうするかが、書かれています。唾液内の生菌数を、有歯顎者と無歯顎者で比べたら、なんと無歯顎者の方が菌数が多かったというのは意外でした。

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2004年8月号から

井上 孝先生の「歯髄覆髄の考え方」は、井上先生の今までの長い研究結果の総結集とも言えるもので、結論的な言葉が随所に見えます。「若いうちに歯髄処置を行え」、「歯科材料の問題よりも微少漏洩による微生物感染が問題」「デンチンブリッジの誤解」、「水酸化カルシウム処置の神話」など、目から鱗の内容が多いので、是非一読をオススメします。

西堀雅一先生・武内謙典先生の「臼歯部咬合崩壊への対応」その2は、臨床的に難しい症例へのアプローチなので、その解説が丁寧にされています。カラー写真でないのがとても残念です。

宮地建夫/鈴木 尚/並河宏本先生と黒田昌彦司会の座談は「臨床研究と臨床疫学」というテーマです。臨床家の臨床記録をもっと重要視して評価したいと言う思いと、日本歯科医師会の生涯研修の変革に対する解説が主題です。会員が症例発表することを推奨し、そのことが臨床研究であるという認知を得たいという論調です。私たち会員の能動的な研修をもっと推し進めたいし、スタディー・グループが果たしてきた役割をもっと多くの会員に身近に感じてほしいと思っています。

広多 勤氏の「患者の不満」は医療ジャーナリストの目から見た、医科と歯科の受診患者のアンケート結果から、おもしろい結果が出たことの報告です。医科は「待たされる」というのが患者の不満の第一なのに、歯科は「治療技術への不満」が最も多くて50%を示している。納得できる結果だと思います。反省しなければなりませんし、今後の研修の方向を検討しなければならないと思います。

鎌田 実先生の「雪とパイナップル」は感じさせられるエッセーです。鎌田先生は「がんばらない」の著者としてあまりにも有名な方です。この文章を読んで、また「がんばらない」を読み直してみて下さい。

2004年6月号から

西堀雅一先生・菅野文雄先生の「臼歯部咬合崩壊への対応」は、お二人ともペンシルバニア大学の歯周補綴を学んできた経験を生かした治療法の解説をされています。あの歯周補綴の元祖のDr. Amsterdamの薫陶を直に受けただけに、説得力ある内容になっています。西堀雅一先生は留学後10年以上経ち、日本での歯周補綴をしっかり身につけてきました。菅野先生は留学から1年余のホットな情報が満載されています。2回シリーズですので、来月号もご期待下さい。

2004年4月号から

須貝昭弘先生の「動揺歯に対する考え方とその対応<その1>」は、歯周治療や欠損補綴や矯正治療などに精通してなければ論じられない内容を、わかりやすく整理しながら具体例を提示して解説してくれています。動揺歯の処置には、悩まされることが多くて困っています。炎症性因子を取り除けば治まるという簡単なものではないし、修復に移っていいものなのかどうか、保存して支台歯として利用できるものなのかどうかも悩みます。加わる側の力のコントロールについても配慮が必要です。今月と来月の2回連載です。

加藤武彦先生の「これでよいのか総義歯臨床」は、歯槽頂間線法則への疑問と、新たな人工歯排列法の提言です。歯槽頂間線法則に則って人工歯排列をすれば、義歯の安定が得られると教わったし、そう信じていました。顎堤吸収の進んだ患者さんには交叉咬合様式が多くなります。そのような義歯を使った患者さんは、舌を噛んだり口腔内が狭く感じたりして、快適な食事ができなくなります。そこで、人工歯を天然歯が元あった位置に配列するという試みをしてみた。発音審美もすこぶる良く、咀嚼力に耐えられる義歯ができるとのこと。ぜひ一読のうえ試してみては如何?

2004年1月号から

眞木吉信先生の「フッ化物応用の科学と実際」は、フッ化物の毒性や代謝に関する不安を取り除くための解説と、齲蝕予防のメカニズムを解説しています。長い期間、日本では水道水フッ素化の動きはその副作用の危惧から実践できませんでしたが、2000年の11月に、厚生労働省も日本歯科医師会も水道水フッ素化は値域の住民との合意があれば進めてよいことになりました。その後、歯磨き剤やそれらの関連機材のフッ素導入が積極的に進められるようになりました。それと同時に、患者さんからも質問が出てまいります。今こそフッ素に関して正しい認識が必要です。来月との2号連載です。併せてお読み下さい。

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